まるはなのみのみ

日記です。ときどき意見や感想。

老化

体力の衰え、記憶力の低下、夜が弱くなったり視力が落ちてきたり、そういったことを実感する年齢なので、そういったことにいちいち驚かないが、ショックなほどに老化を実感させられたことがあった。

昨日は大万木山に登った。これでこの山に登るのは4,5回目だ。数年前も今回よりも少し前の時期に登っている。今回は朝早めから登ったので鳥のさえずりが多く聞こえ楽しめた。キビタキクロツグミツツドリゴジュウカライカル、アカショウビンサンコウチョウ・・・・鳥は子供のころから好きだったし前職では鳥の調査も多く行ってきたので、たいていの鳴き声で識別できる。でも鳥から遠ざかっていることもあり、あれ、これ何の鳴き声だったっけ、と自信が無い鳴き声もあった。クロジだったかな、ノジコだったかな、それともほかの鳥かな。結局姿も見れなかったのでその声の主の正体は判らなかった。

登りは2時間ほどかかった。まぁ汗もかいたけど、虫を見ながらだからこんなものだろう。頂上について一息ついているときにふと気付いてしまった。今日はあの鳥の聞いていない。ヤブサメの声を!数年前に同じルートで登った時にはヤブサメの声が多く聞こえていたのに、今日は1回も聞いていない。時期?環境変化?いやいや、おそらくは自身の老化で声が聞こえなくなっているのだろう。健康診断などでも聴力異常は認められないし、ほかの鳥の声はしっかり聞こえているのにも関わらず。ヤブサメのシシシシ・・・・という声は特段小さかったり高かったりする訳ではないのに、歳をとると聞こえにくくなるという。集中していれば聞き取れるのかも知れないが、無意識には耳に入ってこないようになってしまったのだろう。

年をとるって良いこともあるし出来ることが増えることもある。しかし出来なくなることも出てくる。本人が気付かないうちに出来なくなっているのは本当に恐ろしいことだ。以前出来ていたからと過信することなく、出来なくなってきていることもあると謙虚に生きていきたい。

それにしてもあのヤブサメの声を聞くことはもうできないのだろうか。老化したこともそうだが、それ以上に1つの生物をフィールドで認識できないようになってしまうことは本当に寂しいと思う。

秋になったらチッチゼミの声が聞こえるか確認しなくては。同世代のYさんがチッチゼミの声が聞き取りにくくなってきたと何年か前に言っていた。その時はまさかぁ、と思っていたが、聞こえなくなっている可能性はあるかも。