Yamamoto, T., Hattori, M., Matsumoto, Y. et al. Evolutionary diversification of Japanese Stomaphis aphids (Aphididae, Lachninae) in relation to their host plant use and ant association. Sci Nat 107, 14 (2020). https://doi.org/10.1007/s00114-020-1671-4
日本産クチナガオオアブラムシ属の分子系統解析を行い、ホスト、従属アリとの関係を見ている。寄主特異性を示すもののいくつかのクレードでは複数ホストを利用していて、分類学的にも再検討が必要だろう。特に一番普通種のヤノクチナガオオアブラムシが怪しい。従属アリにはそんなにこだわりは無いようで、Lasiusなら何でも良いようだ。
Takada (2008)はクヌギクチナガオオがコナラを1次寄主、クヌギを2次寄主としていることを報告しているが、本論文ではクヌギとコナラに寄生していた個体群はそれぞれ別のクレードになっている。
シコクモミクチナガオオがクヌギクチナガオオと組んでいて、このクレードの中には広葉樹と針葉樹から得られたものががっつり混在している。おそらくは1次寄主と2次寄主の違いだと思うが、何だかしっくりこない。