まるはなのみのみ

日記です。ときどき意見や感想。

MEGATAXA

ZootaxaとPhytotaxaの姉妹誌としてモノグラフのような大きくてインパクトのある論文を扱うMEGATAXAという新しい雑誌が作られた。投稿料を取るシステムでフリーオープンアクセスにするようだ。

創刊を記念して、近年の分類学に関する寄稿が寄せられており(Editorialが5本、Correspondenceが10本、Reviewが1本;どういう区分か不明)、いくつか斜め読みしてみたが、どれも意見のみであまり面白くなかった。個人的にはZooBankに登録されないままのオンラインジャーナルで記載された新タクサなどどうなるの?という話などが出ているかなと思ったけど、これはパンドラの箱なのか私が読んだ範囲では書かれていなかった。世界中の博物館が大変な状況に追い込まれていること、タイプなしの記載の話、DNA-baseの記載の話、などが印象に残った。Duperre (2020)によるとこれまでに19種(6種の地衣類、3種の菌類、10種のチョウ目)が形態形質の記載なしで記載されたようだが、Longino (2020)ではButcher  et al. (2012)のコマユバチの論文も例に挙げられている。ただButcher  et al. (2012)のアブストラクトを見る限り形態形質の記載は少しはあるようなので分子情報だけということはないようだ。

<0209追記>

Butcher  et al. (2012)を入手したが、簡素だが形態形質の記載もしっかり含まれていて検索表もあり、Longino (2020)はDNA-baseで種を分類した後に形態を用いて識別した例として挙げているのかも。