読了。とても面白かった。まるで映画でも見ているかのようなストーリー展開でどきどきさせられた。本の厚さの半分位で事件があらかた片付いた時には、後半はつまらなく長いエピローグか、と思ってしまったが、全然違っていて最後まで読みきった。
19章の「自然史標本はなぜ重要か」はとても深い文章が書かれていた。
「こうした標本を保存することは、時代を越えて人間性を信頼することなのだ。」
「そして彼らは、現段階ではまだ浮上すらしていない疑問についても、この鳥たちが未来のどこかで答えてくれると知っている。」
「彼らの使命感の土台になっているのは、収蔵品を使って研究しに来る人も同じ考えを共有しているという相互信頼だ。」
ちょうど県科博の見学実習の休み時間に休憩室で読み終わりこれを書いている。日本の博物館では資料はその存在価値にしか焦点が当てられず、未来に向けての研究資料という位置付けをどうしても忘れがちである。そんな基本的なことを思い出させてくれた。
この本は博物館に興味がある人みんなにオススメ!