まるはなのみのみ

日記です。ときどき意見や感想。

クビナガゴミムシ属Odacanthaの検索表

必要があったので西田(2000)などを基に整理してみた。間違っているかも知れないので、いろいろな資料を当たってほしい。分布は、情報が錯そうしていそう。

1.上翅は一様に黒色(ブロンズ状)・・・・ブロンズクビナガゴミムシ(琉球の個体群)

-.     上翅には少なくとも一部に黄褐色部がある・・・・2

2.体長5.0-5.5 mm。上翅側縁と会合部の各2間室が帯状にはっきり黒褐色になる・・・・ハガクビナガゴミムシ(分布は関東のみ?西日本にはいない)

-.     体長6.0-7.8 mm。少なくとも上翅側縁に帯状黒褐色紋はない(下翅が透けて黒く見えることがある)・・・・3

3.前胸と上翅は明らかに細長く、上翅会合部の2~3間室が明らかに黒褐色になる・・・・ナカグロキバネクビナガゴミムシ(北方系;北海道・本州・九州(?);滋賀県付近までは記録あり)

 -.   前胸と上翅はやや幅広く、上翅会合部は黒褐色にならない(黒ずむことあり)・・・・4

4.雄陰茎は太くねじれ、先端開口部は上面に位置する・・・・ブロンズクビナガゴミムシ(本土個体群;九州と中国地方の低地)

-.   雄陰茎は細長く一様に大きく湾曲する。先端開口部は側方に位置する・・・・チャバネクビナガゴミムシ(北海道~九州;九州では高標高地にのみ見られる)  

四国の同属はチャバネ1択で問題なさそうだが、記録は無いもののブロンズが混じっていて混同されている可能性があるかも知れない。雄交尾器をチェックすれば一目で判りそう。

西田光康 (2000) 西日本のクビナガゴミムシ属 Odacantha について.北九州の昆蟲, 47(2):139-140.

(追記4/14) 藤本さんにブロンズが四国でも既に記録されていることを指摘頂く。ありがとうございます。

西田光康(2002)ブロンズクビナガゴミムシ茶羽型の新産地について.北九州の昆蟲,49(2): 110.

藤本博文(2006)2005年に丸亀市広島で採集した甲虫類.へりぐろ(27):17-22.

また、下記の論文で国後島のナカグロキバネが亜種として記載されハガが極東ロシアからも記録された。

K. V. Makarov, Yu. N. Sundukov, M. K. Korepanov (2019) A REVIEW OF THE GENUS ODACANTHA (COLEOPTERA, CARABIDAE) OF THE RUSSIAN FAR EAST. Far Eastern Entomologist, 380: 8-19.