まるはなのみのみ

日記です。ときどき意見や感想。

ヨコバイ科、カスミカメムシ科、ハマキガ科、ハネカクシ科

Liu Y., Dietrich C.H., Braxton S.M. & Wang Y. (2019) Publishing trends and productivity in insect taxonomy from 1946 through 2012 based on an analysis of the Zoological Record for four species-rich families. European Journal of Taxonomy 504: 1–24.

1946~2012年に記載されたヨコバイ科、カスミカメムシ科、ハマキガ科、ハネカクシ科について、Zoological Recordのオンライン版を使って解析している。

表1と図9は日本人なら楽しめるだろう。表1は著者別の論文数ベスト20。カスミカメはYasunagaが3位、ハマキガはYamanakaが5位で他に日本人が3人ランクイン、ハネカクシはWatanabeとNaomiがランクインしている。図9はそれぞれの分類群でどこの雑誌に論文が多く掲載されているかのグラフ。ハネカクシとそれ以外3科では掲載誌が大きく違っていて、共通するのはZootaxa1誌のみ。いかに甲虫が他の分類群と違うところに掲載されているかということの証左ともいえる。そして日本の雑誌ElytraとEntomological Review of Japanもランクインしており、これら2つを足すとこの期間で一番多くのハネカクシの論文が掲載されたことになる。

ヨコバイ科以外は欧米の研究者が頑張っているが、ヨコバイ科の研究成果はアジア(中国)にシフトしつつあるという。その通りだと思うし、他の分類群でもそういう傾向が強くなりつつあると感じる。