対馬には学生時代に5回行った。その中でも1回目が一番思い出深い。
1つ上の沖本さんにくっついて、1回生のGWに対馬に初上陸した。その時は二人とも車の免許を持っていなかったのでタクシーとバスでの移動であった。そしてある集落のUさんの納屋の２階に滞在させてもらった。Uさんは、その前年に沖本さんが偶然出会いそれからお世話になっている人だった。決して裕福ではなさそうだし子供たちも多くまだ小さい。そんな一家のところにお邪魔させてもらって、ずうずうしくも朝飯と夕飯までごちそうになっていた。食事はご飯とみそ汁とたくあんのみ、ということが多かった。そしてお風呂が五右衛門風呂だったのをとてもよく覚えている。その夏にもずうずうしくもお邪魔させてもらい、沖本さんにぴったりくっついてまわっての採集も楽しかった。
Uさんの家に滞在させてもらったのは、その１回生の春と夏の２回の遠征のときだけだったが、とてもお世話になったのでいつかお礼を言いたいと思いつつそのままになっている。Uさんは結構年齢が上の方だったのでもしかするともう亡くなっているかも知れない。大体の家の場所は覚えているのだが、空中写真を見てもどの家なのか自信がない。
もう２０年以上前の話である。その頃はまだ対馬にはコンビニも無かった。ツシマウラボシシジミも採集できたしツシマヤマネコも見ることができた。当然、ツマアカスズメバチなど入っていなかった。行ってノスタルジーに浸りたい気もするが、変化にがっかりしてしまう気もする。
両方とも1991年5月、龍良山の頂上にて。
