まるはなのみのみ

日記です。ときどき意見や感想。

アリジゴク3種

Matsumoto, Kikuta & Yoshitomi (2016) Larvae of Three Japanese Species of Myrmeleontidae (Neuroptera). JJSE 22(1): 101-108.
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モイワウスバカゲロウEpacanthaclisis moiwana、 マダラウスバカゲロウDendroleon pupillaris、およびヒメウスバカゲロウPseudoformicaleo nubeculaの幼虫を解明し記載。これはすごい発見。私も著者の末に入れて貰っているけど、あまり活躍できていない。
モイワの幼虫探索は、これまで何時間もかけてきたが、こんな感じのところに居そうだという想像はだいたい当たっていた(負け惜しみ)。でも最初に見つけたのは松本さんだった。悔しい。面白いことに、これまでマダラの幼虫として図示されていたものがモイワで、マダラは全く違うものだったということも判明した。
日本本土産の最稀種ヒメウスバは幼虫解明なんて無理だと思っていたが、第1著者と第2著者のすごい観察眼で発見されてしまった。こっちもこんな感じのところにいるかもと妄想して既知産地で探索したことがあったけど、まさにそんな感じのところで発見されてしまい、あのとき見つかっていればとすごく悔しい思いをした(こっちも負け惜しみ)。
ウスバカゲロウにはまだまだ解明されていない面白い事象が残っているので、これをきっかけにブームが来るような気がする。来てほしい。
馬場、松良と素晴らしい日本のウスバカゲロウ研究がこれまで出ているが(これらでほぼ判った気がしていた)、今回の発見は、それらに並び称されるものだと思う。