まるはなのみのみ

日記です。ときどき意見や感想。

台湾調査の成果

今回の一番の目的は、旧知の友人2人に会うことだったので、それが一番良かった。ちょうど20年前にみんな学生だった訳で、現在も研究を続けていられることは幸せだと感じた。今回は会えなかったWangさんにも近いうちに会いたい。
2つの標本室を調査したが、どちらも日本の博物館の標本室、少なくともうちの標本室よりは、広さも規模も予算も人も恵まれていてちょっと嫉妬心を感じた。
NMNSには佐藤コレクションの半分が入っているが、それ以外にも日本のアマチュアのコレクションが複数入っているようだ。しっかり管理されるのであれば、国外であっても自分のコレクションを入れたくなるのは必然である。私もそうするだろう。でも自国の標本を自国で保管する重要性もあると思う。標本ではないが、博物館が所有する別刷を専門のスタッフを雇いデジタル化しており、これも素晴らしい試みだと思った。日本では著作権問題に過敏になりすぎ、こういう基本が出来ていない。
TARIも素晴らしいコレクションだった。今回は甲虫だけ、最低限しか見ることが出来なかったが、歴史ある標本に接することが出来て良かった。しかし、その歴史ある標本群は”素木標本”が多く含まれ、ダークサイドマターである。Leeさんはそれらを無視して、新たなコレクション構築を目指しているようだ。それも作戦ではある。
ということで、うちのコレクションをどう維持・管理していくか、ということについて、両コレクションを見て、いろいろ考えさせられた。スペースも予算も人も少ないけど、セールスポイントはあると感じた。
また、台湾の研究者は日本贔屓の人が多いから、これからもしっかりした信頼関係を維持しつつ、いろいろなことを協力していけたら良いと思う。だから勝手に国立公園に潜り込んで採集したり、許可無しに保護昆虫を採集したりは、絶対に行ってはいけない。
NMNSにて