まるはなのみのみ

日記です。ときどき意見や感想。

論文のOA化

結構話題になってきている論文のオープンアクセス(OA)化。学術雑誌を2つも編集している立場としては無視できないので、いろいろ考え悩んでいる。基本的には賛成だけど弱小学会などでは雑誌を維持する仕組みや学会の目的を再構築する必要がありそう。ここにきて急いでことを進めようとしているようだけど、もう少しいろいろ考えていかないと、取り返しのつかない事態になってしまうかも。確かに海外の大手出版社の丸儲けという状態は打開したい気持ちは判るけど。
「日本発の論文をアピールする仕組みを!」(例えばここ)という意見には少し違和感を感じる。ローカルな研究だったり日本語で書かれた論文は無駄だと言わんばかりに思えてしまう。また、日本発の研究としては、少し前の時代のもの、例えば戦前から論文がPDF化される前までの時代に出されたものに、とてもオリジナリティあふれていたり示唆的だったりするものがあり、日本語で書かれていているからか忘れ去られているようなものが結構ある(たぶん分野によるけど)。当然、著作権の問題もあるけども、こういうものこそオンライン化していく仕組みを作って欲しい。たとえば国会図書館のデジタルライブラリーがどこからでも見られるようにしてくれるだけで、どれだけOA化が進むか。