まるはなのみのみ

日記です。ときどき意見や感想。

【書評】 フィールドの生物学18 湿地帯中毒

フィールドの生物学18 「湿地帯中毒 身近な魚の自然史研究」 中島 淳 東海大学出版会
高須賀君の本と同時に出版された。研究テーマも材料も方法も全く違うけど、基礎研究で生物多様性の機能の解明について研究しているところが同じである。また、二人とも生態学が専門であるにもかかわらず、積極的に分類学にも手をだし、新種の記載論文も執筆しているところも同じである。二人とも研究に目覚めるのがやや遅かったりするのも似ている。ぜひ両方を手に取って比較しながら読むのは面白いと思う。
私も幼い頃から生き物が好きで好きで、それで生物学者になった。なので本書に共感できるところも多かった。神図鑑として紹介されていた魚類図鑑は2冊とも高校生の時に購入し私も読みふけっていた。でもそんな趣味は無いなぁとかそこまでやるか、とか思うこともあった。
生き物やフィールドがとっても好きで、センスや才能にあふれているにも関わらず、それらを生かし切れず、様々な理由によりフィールドから離れてしまう人が多い。そういったセンスや才能がない私は、勿体ないといつも思うのだが、中島さんはきちんとそれらを生かしているのだから素晴らしいと思う。