まるはなのみのみ

日記です。ときどき意見や感想。

カタツムリハンドブック

これ素晴らしい図鑑。今年の一番かも知れない。とにかく素晴らしい。
147種の生体を白バック写真で掲載しており、殻と軟体部の絵合わせで種名がだいたい判るようになっている。簡潔明瞭な各種コメントや各個体にどこ産なのか明記されているところなど、著者のこだわりが出ているし、キセルガイではプリカのスケッチまで示している。
この前の「きらめく甲虫」もそうだったが、図示する個体にこだわりを持っている。相当大変な作業だったと思う。カタツムリは不完品であることも多いし汚れていたりすることが多いのに、綺麗な個体ばかりをセレクトしてある。生き生きした個体の写真ばかり。
引用文献リストも良い。見るとほとんど持っていたが、いくつか入手しなければならないものもあった。
引用文献のなかのHirano et al. (2014)が本文に出てこない(?)、ヤマガマイマイの分布が高知県となっている(愛媛県にもいる)、くらいが気付いたところ。あと、Euhadraではこれまで(例えば川名2007)と種や和名が違うものもありそうで、以前から好きで見ている人にはちょっと混乱しそう。最近の研究結果に基づいた扱いなのかも知れない。
ハンドブックのこのシリーズの中でも一番と言ってよいほどの素晴らしい出来で”買い”の一冊。