まるはなのみのみ

日記です。ときどき意見や感想。

0705けやき平

千田君を誘ってけやき平へ。ここではどうしても成虫を採集しアルコール標本が欲しいNipponocyphonが1頭採集されているのでそれが今日の一番の狙い。そして石灰岩質の場所柄、カタツムリも気になるところだ。また、先々週以来、石鎚で狙っているオオメチビドロムシの多産地も見つけたい。
 
天候はあまり良くないが7時に学校集合でわき目も振らずに現地へ。濃霧のため、カルスト近くで迷ってしまったが、10時頃に到着。駐車場に車を置いてけやき平への林道を歩く。天候が悪いので雨具を着てビーティングネットのみを手にする。
林道周辺は良い感じに倒木が多く、苔むしていてなんともカタツムリ〜な雰囲気。探せば探すほどキセルが多くたたき網もそっちのけに集めてしまう。ああ、収集欲とは怖いものだ。おそらく4,5種のキセルキセルガイモドキを含む)を採集できたのでホクホク顔で叩きながら奥を目指す。
岩の隙間から水が湧き出ている場所があり、何か珍しいものが見つかる雰囲気だったが水の中からは何も採れず、代わりにオオメチビドロムシを1頭岩の上でゲット。1頭じゃ多産地ではないな・・・・この状況でここで幼虫を探すのは至難の業だ。と言いつつ苔を少しむしったりして探してみたが、何の手ごたえもない。何だか判らない甲虫の幼虫(前蛹)が苔の隙間から転がり出てきたので一応採集しておく(下界に降りると既に蛹になっていた、ゴミダマかな?)。
何だか虫はぱっとしないなぁ、と思っていたところ、ガレ場で大きなケヤキの倒木があるところでオオメチビドロムシの多産地に当たり、おもわずやったーと大声で叫んでしまう。ここは全く水場ではなく、林道脇の苔むした岩や倒木の上にピトピト成虫が止まっている。雌雄みられ、交尾行動も確認した。いくつか採集した後に観察してみたが、産卵等の重要な行動は特に観察できなかった。本種はこれまで数回数個体採集したことがあるが、いつも滴り水の周囲の草上などに止まっていた。なので生息場所は水環境と何らかの関係があるのではないかと思っていたが、そうではないようだ。真面目に採集すれば100でも200でも採集できるくらいの場所だったが、今秋と来春の幼虫探索が主目的なので「頑張って産卵しろよー」と声をかけて奥へ。
けやき平と言う名前の通り林道脇には大きなケヤキが見られるが、一番奥には立派なトチノキがある。霧の中、大きなトチノキは幽玄的な雰囲気を醸し出していて何とも素晴らしい。何枚も写真を撮るがその場の雰囲気を切り取ることは私の腕では到底出来なかった。
1時過ぎには疲れ果てて車に集合。千田君はあまり成果が挙がらなかったが、クサアリの蟻客を数種採集できたとのこと。
小田深山―砥部とドライブしつつ帰松。
 
Nipponocyphonはかすりもしなかったが、かなり成果があがり良かった。オオメチビドロの生息環境が水辺とは関係なさそうだという事実だけでも大きな収穫。同様にNipponocyphonの幼虫の生息環境も水辺とは関係ないかも知れない。
タツムリはいくつか幼貝も混じっていたのでしばらく家で飼育することにした。とりあえずタッパーにきゅうりと急遽買ってきたカルシウムのサプリメントを入れてみた。