まるはなのみのみ

日記です。ときどき意見や感想。

河床間隙からトゲタニガワトビケラ

T. TORII, N. KUHARA, T. SHIRAKO, T. UCHINO, R. SOUMA & T. KOBAYASHI (2022) Hyporheic zone, a blind spot: Discovery of the larva of Kisaura (Trichoptera: Philopotamidae) from Japan. Zootaxa 5138 (1): 031–040.

成虫は見つかるけど幼虫未知だったトゲタニガワトビケラ属の幼虫を、河床間隙から発見し分子同定して特定、記載している。素晴らしい。

シン・ウルトラマン

見た、重信のレイトショー。

仮面ライダーよりはウルトラマン派だったけど、タイムリーには見ていないしウルトラマンよりはウルトラマンAあたりの方が好きというなんちゃって、でもゼットンくらいは日本人の常識として知っている、というくらいの知識で見た。

面白いと思うところもあったが、音や映像、ストーリーを含めウルトラマンのオマージュだよな、と思うところが多く、ウルトラマン好きには楽しめるけどそうではない人たちにはどうなんだろうという感想。ゼットンは常識と書いたけど、きっとそうではないしゾフィーも同様。でも作った側の人達やシン・ウルトラマンを楽しみにしていた人たち(私も含め)は常識だと思っていたのだろうな。いくつか伏線が回収されていないのか判らないところもあった。

怪獣もパシリムばりに重厚に見せて欲しかったと思う反面、そうではないところがウルトラマンなんだろうな、とも思う。ウルトラマン自身はオリジナルよりもカッコいいと思った。また、ストーリーもシン・ゴジラほど斬新さが無かったと思った。私が見ても名前が判るようなそうそうたる俳優さんが登場していて芝居や声は良かった。

見る前に、きっとスプーンは出てくるだろうと予想していたが、はずれた。

ヒラタトガリカメムシの記録

Ahn S, Kim W, Kim S, Cho G (2020) Brachymna tenuis Stål, 1861 (Hemiptera: Pentatomidae), a new invasive bamboo pest in Korea with notes on insects associated with bamboos. Biodivesity Data Journal, 8: e58476. 【韓国からの記録】
青野孝昭(2019)ヒラタトガリカメムシ岡山県倉敷市で確認.しぜんくらしき,(111): 9–10.【岡山県からの初記録】
金只遼太郎(2017)南方種ヒラタトガリカメムシを採集.二豊のむし,(55): 106.【大分県からの初記録】
田中 馨(2013)ヒラタトガリカメムシ山口県で採集.月刊むし,(514): 3–4.【山口県からの初記録】
上野高敏(2021)外来種ヒラタトガリカメムシの福岡市への定着を確認.Pulex, (100): 908–909. 【福岡県からの初記録】

小阪敏和(2021)ヒラタトガリカメムシ大芝島(東広島市)で採集.広島虫の会会報, (60): 34. 【広島県からの初記録】

吉富博之・安田昂平(2022)ヒラタトガリカメムシ (カメムシ目カメムシ科) の四国からの記録.昆蟲 (ニューシリーズ), 出版予定.

週末登山部

晴れるとの天気予報だったので、以前から行ってみたかった黒森峠から堂ヶ森に。

黒森峠から相名峠までの道は尾根沿いで気持ちいい。距離が長いが飽きることない感じ。相名峠からは登りが続き前半はブナ林。後半はササ原。

堂ヶ森からは見晴らしが良く石鎚山方向がくっきり見えたがあいにくの曇り空。

下りはせっかくなので梅ヶ市登山口の方に降りてみた。こっちはずっと下りでスギヒノキの植林。実につまらない感じ。登山口の駐車場には10台くらい車が停まっていた。

そこから10㎞近く車道を歩いて黒森峠まで戻る。これが一番きつかった。途中で雨まで降りだしてしまい苦行。大人しくピストンで帰れば良かったと後悔した。合計で23㎞歩き今年一番の運動となった。

シーズンが早く成果はあまりなく、シリアゲムシ5種。でもよい植生が見られ楽しかった。シカの痕跡もあるもののそんなに酷くは無かった。

堂ヶ森から青滝山方向。久万側は植林、東温側はブナ林なのが判る

 

シタベニハゴロモの集団遺伝構造

A. Nakashita, Y. Wang, S. Lu, K. Shimada & T. Tsuchida (2021) Ecology and genetic structure of the invasive spotted lanternfly Lycorma delicatula in Japan where its distribution is slowly expanding. Scientific Reports, 12: 1543. https://doi.org/10.1038/s41598-022-05541-z

プレスリリースはこれ。北陸に入った個体群は中国北西部の個体群、岡山に入った個体群は中国中央部の個体群で韓国やアメリカに入ったものと同じという。よって農業被害が出ている後者では、日本国内でも注意が必要だろうとしている。これにはすごく納得できた。岡山で確認されている翅の青い変異も韓国やアメリカでも確認されているのだろうか。

クビアカツヤカミキリの集団遺伝構造

Tamura, S. & Shoda-Kagaya, E. (2022) Genetic Differences among Established Populations of Aromia bungii (Faldermann, 1835) (Coleoptera: Cerambycidae) in Japan: Suggestion of Multiple Introductions. Insects, 13: 217. https://doi.org/10.3390/insects13020217

日本には地域ごとに独立に何度か侵入しているとのこと。てっきり国内で人為的に広がっているのかと思っていた。Fig.5にお花見の写真(葛西用水桜並木)があってとっても良い。

マツナにつく昆虫

Kita A, Elsayed AK, Tokuda M (2022) Intertidal insects associated with halophytic Suaeda
(Amaranthaceae) in Japan: a case study in Saga, northern Kyushu. Biodiversity Data Journal 10: e79184. https://doi.org/10.3897/BDJ.10.e79184

有明海5地点で在来のマツナ類4種、マツナ、ハママツナ、ヒロハマツナ、シチメンソウにつく昆虫類をスウィーピングで調査。その結果5目の18種の昆虫を確認。このうちClanoneurum sp.(ミギワバエ科)とColeophora deviella(ツツミノガ科)が日本初記録。ハマベテンサイカスミカメOrthotylus ( Melanotrichus) parvulusが九州初記録となる。また、アブラムシの1種Aphis sp.はおそらく未記載種であろうとのこと。

こういったファウナ調査も海外誌に投稿するのって素晴らしい。

本論文に引用されている論文によると今回調査されたマツナ4種は四国に分布しないと書かれているようだが、あるよな?アブラムシは気になるのでぜひ調べてみたい。あとシチメンソウかアッケシソウには固有のカスミカメかキジラミがいたと思うので、それがいないのかも調べてみたい。