まるはなのみのみ

日記です。ときどき意見や感想。

ゲンモの幼虫がイモリを食べた

J. EIROA, D.X. SABUCEDO and G. MUCIENTES (2021) Field observation of hunting behavior by larva and adult of diving beetle Dytiscus marginalis Linnaeus, 1758 preying on Lissotriton boscai (Lataste, 1879). Entomological Science: 24, 281–283.

Dytiscus marginalis Linnaeus, 1758の幼虫が野外でイモリLissotriton boscai (Lataste, 1879)を食べていたという観察記録。この雑誌にしては少しインパクトが弱い報告に思うが、この程度でも掲載されるんだ。書き方かな。

イラガ2種の繭

M FURUKAWA, K NAKANISHI, A HONMA, K-I TAKAKURA, K MATSUYAMA, N HIDAKA, H SAWADA and T NISHIDA (2021) Differential performance of contrasting defensive traits of cocoons of two moth species against bird predation. Entomological Science 24, 261–269.

外来種ヒロヘリアオイラガの繭は見つかりにくい隠遁擬態で、在来種イラガは見つかりやすいが繭が硬い、鳥の捕食に関してはどちらかというと後者が有利という報告。面白いしかなり調査している。

しかし、ちょっと鳥の記述に関しては既存文献調査が必要だと思う。記憶だけだが、両者でどのような鳥が食べていたという調査が既にあったように思う。この論文内ではシジュウカラコゲラを例に出しているが、確かにそれらも食べるだとうが、ヒロヘリアオイラガの方はムクドリが食べるようになって(以前は食べなかった)、集中的に食害されていると書いてあったように記憶する。自身の観察でもムクドリが不器用ながら何とか食っているのを見ている。あと、この前はイソヒヨドリが食べているのを見た。

カタビロハムシ科の系統解析

G.M. Rodriguez-Miron, S. Zaragoza-Caballero and J.J. Morrone (2021) Phylogenetic analysis of the family Megalopodidae (Coleoptera: Chrysomeloidea): better taxon-sampling facilitates detection of new relationships and new taxa. Cladistics, early view.

日本産に変更はないが、カタビロハムシ亜科に族と亜族が提唱されている。日本産は下記のようになる。ところで、ZooBankのLSIDが付いていないが大丈夫なのだろうか。

カタビロハムシ亜科 Subfamily Megalopodinae Latreille, 1802

 カタビロハムシ族 Megalopodini Latreille

 カタビロハムシ亜族 Temnaspidina Rodriguez-Miron, 2021

      Temnaspis属 1種

モモブトハムシ亜科 Subfamily Zeugophorinae Böving and Craighead, 1931

   Zeugophora属 10種

Ptilodactylaの琥珀化石

Kundrata R., Packova G., Kairišs K., Bukejs A., Hoffmannova J., & Blank S.M. (2021) The First Ptilodactyla Illiger, 1807 (Coleoptera: Dryopoidea: Ptilodactylidae) Described from
Eocene Baltic Amber. Biology, 10: 877. https://doi.org/10.3390/biology10090877

Ptilodactyla eocenica Kundrata, Bukejs and Blank, sp. nov.の記載。

ミイデラゴミムシの”屁”はカマキリにも有効

Sugiura S. (2021) Beetle bombing always deters praying mantises. PeerJ 9: e11657. DOI 10.7717/peerj.11657

ミイデラゴミムシVSカマキリ3種(オオカマキリ、チョウセンカマキリ、ハラビロカマキリ)で調べている。コントロールは100%逃げられたが、”屁”ができないようにすると100%食われた。綺麗すぎる結果。

2020年の甲虫界 中国版

李露露, 路园园, 杜萍萍, 何雨寰, 董潇忆, 郝家胜, 杨星科, 白明 (2021) 中国鞘翅目 2020 年新分类单元. 生物多样性, 29, 1044–1049. https://www.biodiversity-science.net/CN/10.17520/biods.2021164

Li LL, Lu YY, Du PP, He YH, Dong XY, Hao JS, Yang XK, Bai M (2021) New taxa of Coleoptera from China in 2020. Biodiversity Science, 29, 1044–1049. 

丁寧に拾っているしいろいろ解析している。2020年に中国から398種が記載されたとのこと。エクセルリストとリファレンスリストがサポートファイルとして付いている。すごく便利、と思ったが、日本でも毎年作っているんだった。